心霊闇動画シリーズ（1～5）　感想

心霊闇動画　　　　　　★★★

「闇動画」のスピンオフで、心霊現象に的を絞った内容とのこと。ジャケがもう一般受けを放棄していて潔い。内容は割と面白いが、本作だけを比べるとまだ本家の方が個人的には好き。

「廃車」
拾ったビデオカメラには廃車を撮影したと思しき映像が残されていた。カメラが車内をいろいろ映しているといきなり顔が出てくる。驚いた。撮影者が誰なのかや、この車は何なのかが全くわからないので意味深ではあるが特に解決はしない。

「雑居ビルの階段」
ビル内の監視カメラ映像。警備員が階段近くを通る様子が記録されていたが、その警備員は倒れた姿で発見され、亡くなってしまったという。どうもビルには少し曰くがあったようだが、その曰くよりも多くの事象が同時に展開されているのがなかなか意外。3つ出てくるのは少し珍しくてよかった。

「風鈴」
これはあまり珍しくない感じ。自治体によるイベントが寺で開催され、それを撮影した映像。よく気付いたなというレベル。

「地元の樹海」
なかなか驚くし怖さもある。自殺が多い林へ彼女と遊びに行った投稿者が撮影した映像。映像の前の投稿者のインタビューでだいたい語られてしまうのでここでも書くが、木に突然現れる何者かの手の後で、上から首が降りてくる。
カメラの真ん前に首が出てくるので我々は驚くが、横にいるであろう彼女は「キャー」とか言っておりどういう風に首が見えてるんだろうか。カメラを覗き込む首か？横顔だけか？

「救急車」
映像が始まり早々にナレーションが経緯を説明するが、それが済んでさあ本腰入れて見るかという直後におかしな事象が出てしまい終わり。

「勧誘」
会社の元先輩に水を買わないかと勧誘されている様子を、投稿者が隠しカメラで撮影した映像。インタビューも含めて結構長いのだが出てくる霊らしきものはほんの一瞬。元先輩のウザさの方が勝ってしまっている。

「Hi8」
今となっては珍しいHi8カメラで撮影された映像。だからと言ってタイトルにすることもあるまい。事象は2か所あるがあまり派手さはない。映像にまつわる話だけは少し面白かった。

「公園の人物」
結婚する友人向けのビデオメッセージを公園で撮影していた映像。投稿者ともう一人の友人とで撮影していたところ、映像内に何者かが映り込んだという。翌日その友人は車に轢かれてしまった。
なんかこの何者かって私に顔が少し似てるなあ。嫌な感じ。

心霊闇動画2　　　　　　★★★

印象としては前作とそう変わらない。一瞬だけ霊らしきものが映る映像が多いため、初見で気づかずリプレイ頼みになりがち。ところどころに怖めのがあり悪くない。

「送別会」
飲み会の後に店の外で喋っているところの映像。喋っている人の後ろに一瞬謎の女性が登場。不気味な風貌なのはよい。もっと大きく映ってたら怖かっただろう。

「心霊スポットの帰り」
そのままのタイトルで、取材を入れつつ展開。かつての処刑場らしきところを見て回り、帰ろうと車に乗る所で誰か乗っていることに気付く。これは落ち着く間がなくいきなり出てくるので驚かされた。

「小旅行」
のどかな風景におかしなものが入り込む。割と美人っぽい顔のような気もするが。

「HDD」
タイトルはハードディスクの意だろうか。友人からもらったパソコンに、消去しきれていなかったのか残されていた映像。旅行に行った際に撮影されたもののようだ。開始早々「huis ten bosch」の文字が出てくるので場所はわかる。中を流れる川に生首が沈んでいたとのことで、パソコンをくれた友人にそのことを話すと様子がおかしくなってしまった。映像自体はさほど怖くないのだが、やけに長い話。

「廃墟の鬼」
なぜか韓国からの投稿。鬼が住み着いているらしい廃墟に侵入して撮影された動画に、鬼らしきものが映ったという捻りのない内容。

「マンションの駐車場」
監視カメラ映像だが、取材が入る上になかなかはっきり映っている。結構不気味なはずなんだが、なぜかそこまで怖くない。

「フリーマーケット」
歩きながら撮影しているためか、カメラのブレがひどく見続けるのが辛い。一瞬だけ出てくるが見た目は怖い。

「過去」
これが最後。意味深なタイトルで期待できる。集合住宅に住む元同僚の奥さんが妊娠したとのことで、お祝いを持って行った投稿者。その場にはいなかった人物が映り込んだという。取材が入り、元同僚の過去が暴かれる。映像に現れた人物はそれにまつわる可能性が高い。ということで映像だがこれは怖め。ラストにふさわしい良作。

心霊闇動画3　　　　　　★★★★★

これはかなり気に入った。そこそこの大作の間に短いのが入る構成で、退屈しなかった。怖さや緊張感も上々。今後もこのレベルでお願いしたい。

「自動販売機」
監視カメラ。自分の身に降りかかったらいやだなあ、と思うびっくり映像。

「予言」
河原近くに住むホームレスらしき男性の言動が面白いことから、友人と撮影しに行った投稿者。ホームレス男性は話しかける投稿者や友人を無視していたが、突然友人に向かい「10月の21日」と告げ、投稿者には「3月9日」と告げる。さらに襲い掛かってきそうだったので逃げる2人。逃げ切ったと思いきや友人の背後に不気味な影が迫っていた。友人は告げられた日付にバイク事故で亡くなったという。怖いものが出てくるだけでなく、死の予言という要素を加えていて面白かった。

「団地」
20年ほど前に団地で撮られた映像とのこと、団地近くの砂場で遊ぶ子供を撮影したものだが、なかなかおぞましい顔が出てくる。

「ロケハン」
Vシネマの撮影用の舞台を探し、あるアパートの部屋を借りることに成功したスタッフ。当日にスタッフ1人が来ない中でロケハンを開始したがおかしなものが映った。
なかなか面白い題材。この後に来なかったスタッフへの取材もあって、よい展開であったが出てきたものがやや残念。まあ本当に出てきたのなら残念も何もないが…もっと怖いのが出てきてたら素晴らしかった。

「ロープウェイの乗客」
謎の足が出てくる短い映像。

「隣の家庭内暴力」
ハラハラして面白かった。アパートの隣の部屋から男の怒声と女性の悲鳴が連日聞こえてくるため、友人の女性と共に壁越しに様子を撮影して記録することにした投稿者。
怒声が止んだと思ったら、悲鳴を上げていた女性（？）と思しき声で「人ごとだと思うなよ」とぼそり。そして投稿者たちの部屋の中に男が出現。実によかった。

「海の家」
これも短めの映像。海の家で楽しく食べている投稿者たちを上から見ている顔。

「池」
ラストは20分近くの大作。夜に心霊スポットの池を訪れたカップル。男性が撮影しながら池の周りを回っていくが、途中で女性の声がしなくなり、姿が消えていた。近くのトイレに光が見えたような気がして男性は入っていくのだが、鏡の中に異様な動きをする霊の姿が。
男性にも女性にもインタビューが入り、2人の記憶に食い違いがあることがわかる。女性によるとどうも途中から彼女は別人と入れ替わっていたようだ。偽物の出現か。さらに彼氏自身にも異常が起きていたという。とにかくこの女性が次から次へと怖いことを語るのでやたらと緊張感がある。映像そのものも見ごたえがある良作だった。

心霊闇動画4　　　　　　★★★★★

3も面白かったがこれもよかった。長めの動画4本が特に面白い。他はそこそこ。

「鯉」
親類の葬式の翌日、近くの公園にて鯉が泳いでいるのを撮影した動画。謎の物が登場していたがリプレイまで気づかなかった。「親類が最後の別れを告げに来たのだろうか」とナレーションは言うが、わざわざ公園に出るか？

「チャット嬢」
男女がPCでビデオチャットしており、画面には女性が映っている。ちなみに女性はかわいい。お金を払って女性と話をするというライブチャットのサービスであるらしい。通常、決められた部屋で女性がPCで応対するのだが、この日は部屋が足りず、いわくつきのマンションの一室で行っていた。会話中に背後に謎の景色が映り込み、女性にも何者かの手が伸びてくる。そして女性は行方不明になったという。いろいろあって面白い。

「靴店」
店内の監視カメラ映像。4台あるうちの1台が奇妙な存在を記録した。意外は意外だが、ちょっと画面の奥の方で小さく出てくるため、そこまで怖さはなかった。

「夜景スポット」
これもいい。彼女と夜景が綺麗なスポットに行った際に撮影された動画。突然男性が、「女性を見なかったか」と声をかけてくる。投稿者たちは心当たりがなく、知らないと言ったら男性は去って行ったのだが、投稿者の彼女が「女の人がいる」と呟いて虚空を指さし、倒れてしまう。動画を見返すと彼女のすぐそばに不気味なものが映りこんでいた。複数の事象が連続していてよくできている。

「夏祭り」
リプレイを見ても何がなんだかよくわからない。占い師から霊が取りついていると言われたとかいうエピソードもあるのだが、映像が面白くないためか、ナレーションで流される。

「女装」
面白かった。友人の家で投稿者とその彼女が飲んでおり、その場のノリで投稿者と友人がメイクと服装で女装することになった。楽しい雰囲気で進んでいるが、いきなり部屋の電気が明滅し始め、いつの間にか部屋の奥に何者かが立っている。さらに電気が点いたり消えたりするのに合わせて近づいてきた。かなりはっきり映っていて驚いた。

「狸」
不思議な味わいのある動画。観光地のとある店に行ったときのもので、店の周りにタヌキやカエルの置物がたくさんあったので撮影したという。その置物の1つには穴が開いているのだが、そこに何者かがいた。たまにこういうのがあると和む。

「不倫」
既婚者の男性が、ある女性とホテルに行った際に、女性の方が撮影した動画。男性の方は、投稿者の会社の先輩であるらしい。男性の奥さんに送り付けるために女性が画策して撮っていたということだったが、撮影中に不可解なものが現れて女性は倒れてしまう。出てきたものは男性の奥さんに似ていたそうだ。
スタッフの取材が始まるが、男性も女性も行方が分からなくなってしまって暗礁に乗り上げる。結局消化不良なところで問題の動画の紹介となる。これ自体はびっくり系の、かなり驚かされる内容で本作のトリにふさわしい。

心霊闇動画5　　　　　　★★★

凄いジャケだ。かなり緊張感がある映像が数本あるものの、でてきたものが少しパンチ不足。楽しめるのだが心霊闇動画としては平均ぐらいな印象。

「バンジージャンプ」
冒頭から初見で何が出てきたのかわからなかった映像。少し不安な始まり方。

「夢の中の女」
脚本家を目指していた男性が飛び降り自殺したという。男性は自分が夢遊病かもと悩んでいたそうで、それを記録するために自室にカメラを仕掛けていた。いくつもの事象が映り込んでいて面白いのだが、エピソードと映像がリンクしすぎていて少しクサい。

「踏切」
監視カメラ映像。やや軽め。よく採用されたものだ。

「始発電車を待ちながら」
なぜか洒落た感じのタイトル。前のなんか「踏切」だし、そっちももっと考えてやればいいのに。男女が外で会話している映像。事象は意外性があった。

「解体業者」
無人の家屋内で撮影された映像。どうも一家が交通事故で全員亡くなったそうで、解体業者が、家の解体前にリサイクルできそうなものがないかと家の中を撮影したのだと。
撮影中に突然物音がして、水道の水が流れ出す。そしておかしなものが登場。先が気になる展開で面白い。

「リゾート施設」
リゾート施設のプールで遊んでいる様子を撮影した映像。リプレイまで何が出てきたのかわからなかった。一瞬でよく発見したものだ。

「ミュージシャン」
ストリートミュージシャンの映像。結構怖い感じのが出てくる。ただ変な動きが気になる。

「内見」
男女のカップルがマンションの一室を内見している様子を記録した映像だという。これがラストで、20分近くある。女性の方が押し入れの戸を開けたら何かが出てきたらしく、意識を失い救急車で運ばれたそうだ。なんだかんだでマンションの隣の部屋で過去に起きた事件が明らかになり、それっぽいものが登場。原因の特定が早すぎ。女性が押し入れを開けたら倒れたというのが先に明らかにされるため、実際の映像紹介で押し入れを開けるまでの過程がかなり緊張感がある。

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