ほんとにあった!呪いのビデオ・封印映像他感想 心霊盂蘭盆

心霊盂蘭盆シリーズ(1~10) 感想

2021/04/17

心霊盂蘭盆 爛れた女呪霊      ★★★★

心霊盂蘭盆 爛れた女呪霊
初めて見るシリーズだ。読みは「しんれいうらぼん」。「心霊曼荼羅」シリーズの姉妹編らしいが、「曼荼羅」の方はまだ見たことがない。
この「盂蘭盆」の方は「封印映像」の構成に近く、5本の長めの映像とインタビューで成っている。なかなか面白く、今後も期待したいシリーズ。

「天井裏の住人」
映像制作会社に送られてきたという映像。天井から音がするので、天井裏へ上がってその正体を突き止めようとする男性が映っている。天井裏内でも音がしたり閉じ込められかけたりと散々な目に遭った末に、とうとう元凶に出会ってしまう。やっていることは天井裏探索のみなのだが、何がいつ出てくるのかわからないのでなかなか緊張感がある内容。
後の取材によるとどうも身内にやられてしまったようなので気の毒。

「生魑魅」
タイトルは「いきすだま」と読むらしい。知らんかった。意味は生霊とかと同じようなもののようだ。
喧嘩後に彼女がストーカー化してしまい、悩んだ投稿者の友人を撮影している映像。留守番電話に怒りのメッセージを残してくるのはともかく、遠くの道にいたと思ったらいきなり家のインターホンを鳴らしてきたりするのは怖い。特にインターホンの音が大きくて驚かされた。当然のように彼女が背後に登場するが、物理的に攻撃してくるあたりは珍しい。

「線香供養」
夜に花火を楽しもうと河川敷で盛り上がっていた投稿者とその友人だったが、どこぞのおっさんがいちゃもんをつけてきた。友人の方は喧嘩っ早いのか口論になってしまう。
投稿者のとりなしでいったんは引き下がるが、よせばいいのにもう一度戦いを挑みに行ってしまう友人。
このおっさんは何かの儀式をしているところだったようで、激高して襲いかかってくる。友人が怪我させられたのに撮影を忘れない投稿者もなかなかだが、おかげで事象はしっかり記録。呪術の解説はなかなか封印映像チックでよい。最後になぜか試験放送のような画面になって終わり。家庭用カメラで撮っても試験放送のような画面になるんだっけ?

「怪火」
風俗関係の人が多く住んでいるというマンションの監視カメラ映像。フラフラ女が奥から歩いてきたかと思うと、炎が燃え盛り女もその中で燃えてしまう。霊現象と言われたらそうかもと思うものの、映像自体はあまりひねりがない。

「爛れた女呪霊」
なんか今回やけに読むのが難しい漢字が出るな。「爛れた」の読みは「ただれた」。
友人と共に夜に廃アパートに行った際に撮影した映像。かなり長い。屋上へ行ったり廊下を歩いて見たりしていると、誰かの怒鳴り声が聞こえる。うるさいアパートだ。それはともかく、投稿者が怪しい女の影を見つけたことで友人が一室へ入っていってしまう。
戻ってこない友人を探して投稿者も入っていくが、次々とおかしなものを見てしまうのだった。部屋はそんなに広くないはずなのにかなり廃墟探検の雰囲気が出ており、いいと思う。
映像序盤の怒鳴り声が実は時空を超えた自分の声だったりするくだり(で正しいと思う)は、取材や説明等では流されているものの気が利いている仕掛け。

心霊盂蘭盆2 憑きもの筋の呪縛     ★★★

心霊盂蘭盆2 憑きもの筋の呪縛
あまり気にしていなかったがサブタイトルがあったらしい。前作同様に5本の投稿映像を取材を交えて紹介する構成。やはりかつての「封印映像」のようで好ましい。映像そのもののインパクトが少し弱めだが楽しめる内容。

「後ろに立つ少女」
タイトルが「ファミコン探偵倶楽部」みたいだな。やったことはないけれど。13年前に少女が殺害されたという現場をレポートする番組で、問題なさそうに進行しているかと思ったが、どうも音声に異常が入るらしく、何回もやり直す羽目になる。そうこうしているうちにレポーターの女性の体調がおかしくなってしまい、介抱されていたかと思ったらいきなりカメラに向かって奇声をあげながら突進してくる。
映像にはその続きも収録されているのだが、なぜかレポーターが喋っている後ろに少女のような姿が出現。移動もしているようだ。コテコテの内容で意外性がないのだが、基本重視ともいえる。

「消えた女屍」
投稿者が帰省して地元の友人と久々に会い、もう一人いた同級生の家に、彼の留守中に勝手に押しかけていったときの映像。ちょっと迷惑だな。鍵が開いていたので入れてしまうのだった。友人と共に部屋を物色しているときに、投稿者は風呂場で女性の遺体らしきものを発見してしまう。再度友人と共に確かめるとそこには何もなく、不可解な状況の中でくだんの同級生が帰宅してきた。展開がスリリングで面白い。なぜか映像の最後がホラー映画風になる。

「呪詛中継」
インターネットで配信するために撮影された映像で、黒魔術で人を呪い殺そうとするところだという。蝉の声がやかましい。撮影者はバイト先の上司の写真をぬいぐるみに貼り付け、刃物で刺したりした後で相手宅の郵便受けに入れておくという、なかなかヘビーな所業を行う。道中では単なるぬいぐるみからなぜか汚い汁が出てきたり、謎の手が出てきたりという異常に見舞われ、さらに投稿者自身にも怪異が降りかかる。テロップで「粗雑な呪詛行為」と切り捨てられてしまったのが気の毒。

「バグ」
投稿者が友人と共に河川敷でアイスバケツチャレンジを行った際の映像。アイスバケツチャレンジはあまり本筋と関係ない。草むらに落ちていた携帯電話を友人が拾ったら、霊に取り憑かれてしまったらしい。それだけだとやや弱いが、その友人が後で撮った自撮り映像に不可解な事象が発生する。一応こちらは警告動画。

「憑きもの筋の呪縛」
引きこもり支援をしているスタッフが、対象の引きこもりの男性と外を散歩した際に撮影した映像。自立支援のサポートになるらしい。男性は30過ぎらしい。大変そうだ。突然の雨に見舞われたために急いで家に帰ろうとするが、途中で引きこもりの男性を見失ってしまう。撮影者はなぜ撮影を続行しているのかよくわからないが、真面目に仕事していて偉い。どこかの神社にて男性を発見。なぜか狐面をかぶった霊らしきものも一緒に発見。安心したのもつかの間でまた男性がいなくなり、異様な状態で見つかった。タイトルとの関連は取材で明らかになる。先の展開が読めず面白かった。

心霊盂蘭盆7 七人ミサキの伝説     ★★★★

心霊盂蘭盆7 七人ミサキの伝説
今回のテーマは神社だろうか、あるいは霊と戦った親子3代だろうか、そう考えるとなかなかスケールが大きい気もする。全体的に面白い。

「丑三刻」
ホストの彼氏に入れあげた結果妊娠、中絶することになったという知人女性を慰めようと考えた投稿者。元気づけようと思って提案したのが丑の刻参りというからなかなかぶっ飛んでいる。
パーティーグッズ的に入手した藁人形や五寸釘、さらに白装束まで準備して神社へ。
辿り着いた神社は丑の刻参りでも有名らしく、さっそくいい木を見つけたので開始。別れたホストに送りつけるために藁人形にその写真を貼り付けた状態で釘を打つ。その知人女性が撮影しつつ釘を打つという両方を頑張るが、いつの間にか横にいたはずの投稿者の姿が消えている。
そして藁人形に異変があり、何者かが迫ってきて映像が終わる。後の映像とも関連する内容だが、これ単体だとこの女性の報われなさがすごくて後味が悪い。

「自己像幻視」
雑誌の心霊関係の特集をするにあたり、男性スタッフ2人がくぐったら死ぬらしい鳥居を実際にくぐってみるという内容。行った先の神社はやはり最初の映像と同じ所だろう。
1人が何度も鳥居をくぐっていったり来たりした時点では何も起こらなかったが、周囲の撮影をしているところで異常が発生。くぐらなかった方がトイレに行くと言ってその場を離れ、しばらくすると戻ってくるのだが、なぜか撮影者本人が横にいて話しながら戻ってくる。誰なんだこいつはとなり、ドッペルゲンガーを見たような状況。それだけで終わらずにさらに新たなものがやってきて終わり。これがまた驚きで、いい内容。

「鏡封印」
心霊関係の動画をアップしている配信者が心霊スポットで撮影するという、割とよくある導入。場所は当然例の神社。助っ人として祖母が宗教団体の教祖である、大鹿さんという大学の友人女性を連れてきている。
とりあえず霊を呼ぶための儀式としていろいろやったりしてみる。鏡を使ったら後ろの方に何か出てきたり、藁人形が出てきたり、大鹿さんがいなくなって、配信者の後ろにヤバい姿で出てきたりととんでもないことになる。時空の狭間にでも行ったのか、配信者の1人は最初の「丑三刻」に出演することに。

「悪魔祓の警告」
先ほどの映像で助っ人に呼ばれた大鹿さんの母親が主人公。この人は娘が霊現象で行方不明になったのをきっかけに、所属していた宗教団体から逃げようとして引っ越したりしているのだが、教団関係者から連れ戻されにかかっている。
家に手紙を入れられたりつけ回されたりしてうんざりしており、その記録のために撮影。インターホンのカメラに目がぎょろぎょろしたりするので怖い。
ある日教団関係者が話し合いにやってくる。仕方がないので家に入れて話しているが、一部の嫌がらせめいた行動は教団での仕業はないと言われて話は収まらない。そこへインターホンが鳴る。宗教団体VS幽霊の戦いが見られるのかとちょっと面白くなってきたが、やはりどうにもならずに決着。事象は面白い。

「七人ミサキの伝説」
私は「地獄先生ぬ~べ~」でその名を知った七人ミサキ。七人組で行動する集団亡霊で、人間を呪い殺すと七人組から抜け出し成仏できるという。では海外に出現したら七人全員外国人になったりするのだろうか。人間に近い猿やチンパンジーあたりを呪い殺しても七人と入れ替わるのだろうか。
さて、孫がやられて娘もやられて、いよいよボスである教祖の女性が登場だ。しかしカメラの前で自己紹介とかがあるわけではなく、関係者からの伝聞。娘達を襲った霊を祓うため、部屋に誰も入れずにお祓いの儀式を行っていたそうだ。
それを部屋の押し入れに隠れて撮影していた信者がおり、やはり儀式中に恐ろしいものが映ってしまう。これが最後に紹介される警告映像。
本気でお祓いで何とかしようとしているあたりが、この宗教団体はインチキではなく本気でやっていたのだろうと思われる。しかし相手が悪すぎたようだ。

心霊盂蘭盆8 水蛭子祟り     ★★★

劇場版 心霊盂蘭盆8 水蛭子祟り

今回は65分ほどでちょっと長いなと思ったら劇場版だった。しかし普段のよりも豪華な内容なのかと言えばそうでもなく、宗教団体の代表者へのインタビューが少し長い。時間配分を誤っていないかと思う。映像はまずまず。テーマは妊娠と出産のようだ。

「怨念授」
最初はある夫婦に子どもができて、安産祈願のために神社へ行った際のもの。夫の方は顔にモザイクが入っているが、妻は顔が出ているのはどういうわけだろうか。こういうのは大抵あとから顔に異変が起きるからこその顔映しだ。
とりあえずお参りが済んで帰ろうとしたが妻がスマホを紛失。GPS機能で探していると異変が起き、妻が倒れてしまい予想通り顔にも異変。
どうもこの神社は水子供養で知られているらしい。そんなところをわざわざ選ぶとは凄いセンスだということになる。この妻のお腹の子はダウン症であることが明らかになり、最終的に堕ろすことにしたとのこと。その後妻はステラの娘という宗教団体に出入りするようになり、夫らが無理矢理連れ戻したところ自殺してしまった。今回はかなり難しいテーマになりそうだ。

「呪厄の伝染」
宗教団体のステラの娘に話が続いていく。次は子どもが生まれたてである女性の映像。この人はアパートに住んでおり、同じアパートで仲良くなった年上の女性がステラの娘の信者で、撮影者を勧誘してくるためにその様子を隠し撮りした。
そもそもステラの娘というのは私は聞いたことがない上に、思い切り固有名詞を出しているので、まあ出してもいい存在だということなのだろう。ステラというのは星という意味で、日常的に聞くのだと「ステラおばさん」とか、ゲームの「エピカ・ステラ」とか、ビジュアル系バンドの「ステラマリア」などを思いだす。
ともかく自分たちの仲間にならないかと言ってくる信者の女性だったが、撮影者が煮え切らない態度をしていると突然苦しみ出す。なぜか信者女性が消えるという意外な展開になったあとで再び現れるが、今度は凄い姿だった。なかなかどぎつい。

「ステラの娘」
いよいよそのまんまのタイトル。この団体の取材目的で信者の女性から話を聞いてそれを隠し撮りしている男性が登場する。
話は聞けたものの、隠し撮りがバレて警察沙汰になりそうなところで逃亡。それが夜まで及んで林のような所へ逃れると、赤ちゃんの声が聞こえてくる。タオルのような布にくるまれた赤ちゃんを目撃したり謎の女が出てきたりと盛り上がる展開。

「救済者」
ステラの娘の代表は「おっちゃん」と呼ばれており、まずは信者女性とのテレビ電話の様子が紹介される。そしてディレクターの松本さんがその「おっちゃん」へ実際に取材を試みる。松本さんは咳がひどく常にゴホゴホやっている。コロナ禍の今だったら絶対来てほしくない状態である。
インタビュー内容はなかなか興味深いとは思うものの、かなり長い上に最終的にはステラの娘はそんなに怪しくなかったという結論で終わってしまう。何なんだ。

「水蛭子祟り」
これまでの女性と同じようにステラの娘の代表の家へ行ってしまった女性は多く、連れ戻そうとしてきた家族へのインタビューが入る。見ている側はステラの娘と関係者家族のどちらに肩入れすればいいのかよくわからなくなってくる。
最後は一番最初の「怨念授」に出てきた女性の家で友人達と共に撮影された映像。女性の顔に不気味な変化があるのだが、ステラの娘ではなくこの人のエピソードがメインだったかのような構成になっており、結局何が悪いのかという疑問が残ったまま終わってしまった。

心霊盂蘭盆9 おぼろ比丘尼の呪骸     ★★★★

心霊盂蘭盆9 おぼろ比丘尼の呪骸
なかなか怖めの動画が連発され、最後には伝承でまとめてくるという内容。おぞましいものが多いが、被害者はなぜここまでやられなければいけないのかという気もする。

「覗き女」
声優学校に通う女性2人が自主制作のCDの特典用に怪談話を披露してそれを撮影していた映像。怪談自体はどこかで聞いたような内容。おかしな声がとどろいて、その声を辿ると玄関に骨壺らしきものがある。そして女性の1人の背後にかなり不気味な霊らしきものが出現。これは怖い。その後にもう1つ出てくるがちょっとやり過ぎな気もするが。
この骨壺は投稿者たちで埋めに行ったということで、スタッフと共にその場所を訪れたらしっかりと見つかってしまった。意外だな。中には謎のビデオテープが出てくるが、ここで内容紹介されないということは最後に出てくるんだろう。

「幽霊正体枯尾花」
「幽霊の正体見たり枯れ尾花」ということわざは、実際には幽霊じゃなかったという内容のはずだが、ここではがっつり霊っぽく処理されている。投稿者の兄が亡くなったらしく、その兄が生前に撮影していた映像とのことだ。歩いて旅するのが好きだった彼はどこかの川沿いの草むらを歩いていたところで女の影を見つける。この場所がもろに先の映像でタイムカプセルを埋めに行った場所に見える。

この兄はそもそも動画投稿用に撮影を行っているのだが、歩き回る最中に飲み終えたペットボトルをその場にポイ捨てだ。こんなのアップしたら低評価だろうに。そう思ったら、兄が道に迷って再びそのペットボトルを捨てたところに戻ってきてしまったという、状況説明のためだけの小道具だったようだ。以降はやはり女に襲われ、奇行が始まって亡くなってしまったという。

「死の宣告」
場所が変わってどこかのバー。そこを経営している投稿者は占いが得意で、占いバーとしてやっていこうとしてその宣伝用に客を占っていたところの映像だ。
客の女性は割とかわいい感じだが、何回占っても死神のカードが出まくるために、占い師もそれっぽいことを言って悩みを聞いたりして穏便にその場を終わろうとする。占い中もノイズは走りまくっているのだが。
女性の帰りがけに背後に何か登場。これまた不気味だし、女性自身も白目をむいているように見える。その後女性は河原で焼身自殺したという。また河原か。

「タイムカプセル」
高校の同級生の女子4人がタイムカプセルを埋めており、その後1人が結婚することになったため、余興のためにタイムカプセルを掘り起こす様子を撮影したもの。
流れ的にいきなり例の河原に行くのかなと思ったが、行き先は山だ。道中で4人中の1人が声優志望で養成所に通っていたことが話題となり、名前まで最初の「覗き女」と同じなので先の映像とのつながりが強調されている。
掘り起こした時点でタイムカプセルと言いつつ骨壺に入れていたことがわかり、同行していた4人中の1人の婚約者は引きまくる。中にはビデオテープが入っていた。
1人の家でそのテープの中身を確認しようとするが、うまく映らない。その代わりに怪現象が連発された。ノイズ、何者かの足、そして1人の顔に異変とスピーディーだ。
あと4人中の1人が先ほど「死の宣告」で占われていた女性であるらしいことも明かされる。

「おぼろ比丘尼の呪骸」
どうもこれまでの映像に登場していた霊のようなものは、この場所にまつわる伝説と関わりがあったようだ。それは売比丘尼。尼さんの格好をして春を売っていた女達のことを指すが、この土地の治安が乱れたために村の女性達から迫害されて焼き殺されたという。売比丘尼は「本当の心霊動画『怨』2」でもそのまんまのタイトルの内容があった。比丘尼を題材にしている映像も他のシリーズであるし、割と扱いやすい題材なのかもしれない。

「タイムカプセル」で霊にやられかけた女性が家を出て一時行方不明になっており、投稿者が山で発見したときの映像もここで紹介。またよくわからない女が出てくる。そもそも撮影している意味がわからないが。

ともかく最後に、骨壺の中に入っていたビデオテープの一部が復元できたということでその映像紹介。もちろん警告映像だ。なぜかこれまでの映像で出てきてた犠牲者達の方を見ている、つまり霊側の視点として記録された映像が出てきて、最後は売比丘尼伝説っぽく終わる。不思議は不思議だがそもそも骨壺は何だったのか未だにわからない。

心霊盂蘭盆10 よもつへぐい     ★★★★

心霊盂蘭盆10 よもつへぐい
今回はキノコ関係で共通した映像化と思いきや、もっとテーマを広げて日本神話の世界へ。ネタは割れやすいが映像は怖い。

「お月見泥棒」
新人アイドルらしき男性が所属事務所の社員と山へ行った際の映像。社員の方が撮影者だ。一応番組か何かの企画で行っているらしく、着いた先は洞窟。なんか洞窟に入ると帰れなくなりそうだ。
洞窟に入っていくとなぜか地蔵があり、その前にはお供え物と思しき柿があった。

意外にも彼らは洞窟からあっさり出てくるが、企画を面白くするために男性アイドルがその柿を食べてしまい、すぐに嘔吐を始める。そういう体の張り方は危険だな。水を取ってくるといって撮影者はどこかへ向かうが、どこへ行くつもりだったのかよくわからない。
周囲が暗くなってきてしまうが、撮影者は山中のトイレを発見。そこの手洗い場の水を確保しようとしたところで、いつの間にか鏡越しに背後に男性アイドルが立っているのを発見する。そして異変。これが結構怖い。

「キノコ狩り」
タイトルでキノコと出てくるから、もう山関連であることがすぐにわかる。要するに先ほどの映像とつながってくる。地元紹介のインターネット番組が投稿映像を募集しており、その中に送られてきた常連からの映像。
紹介の対象となったのはやはり山で、女性2人がキノコを採集するという内容で撮ったようだ。

白っぽいよくわからないキノコが見つかるが、食べられるかどうかは怪しいものだ。ともかく山に入ってから時間が経過したために2人が帰ろうとすると、謎の人影が立っているのを1人が発見。
なんだかんだあって2人ははぐれてしまうこととなり、撮影している1人が山中に倒れている人を発見。これが最初の話に出てきた男性のように見えるのがポイントか。男性の顔から胞子のようなものが出たり目が動いたりとビックリ展開。撮影者は倒れる。そして彼女を追ってきたもう1人がまた異様なものに驚かされて終わる。これは不気味でよかった。

「ワライ胞子」
どこかの大学のサークルが新入生勧誘のために撮影した映像。学園祭実行委員会の代表2人がカメラに向かって話し、大学自治会の女性が担当者となって撮影しているようだ。予定では出演は3人のはずだったが、1人は講義で遅れてくるという。

1人が来ないまま撮影自体は問題なく進んでいき、自治会女性が買ってきたプリンを出演する2人と食べていると異変が起きる。まず停電し、自治会女性が撮影しながら部屋の外の様子を見に行ったりして戻ってくるとプリンにカビが生えたようになっている。そして残っていた2人に声かけすると1人は苦しみ、もう1人は顔がとんでもないことになっていたという内容。胞子をまき散らしていそうなので、先ほどの映像のキノコ絡みであることは明らかだ。これはインパクト大。

「幻覚依存症」
依存症克服のための団体で活動している撮影者が、依存症患者と会話しているところから始まる。自分が精神の落ち込みから逃れるためにドラッグに手を出していたという話から唐突に、昔は地元の山の洞窟の中にいたら心が安らいだみたいな話が始まる。最初の映像の洞窟と繋げてくるのはいいが、あまりに強引で驚いた。

そしてリフレッシュ目的で患者と職員2人で患者の話していた洞窟がある山まで行くものの、洞窟までの道はフェンスで閉ざされていた。突然患者が姿を消し、慌てた職員がまさかフェンスの向こうに行ったのではと思ってフェンス近くまで行くと、臭気が漂ってくる。以降は不思議の連続。瞬間移動ばりに姿が消えたり、怖い外見のものが出てきたりと楽しめた。

「よもつへぐい」
最初の話でいざなみの話が出てきた時点で、黄泉へつながる洞窟とかそういうまとめ方をするのだろうと予想していた。最後のタイトルがよもつへぐいなのでやはりそうかというところ。

いざなぎといざなみの話や、これまでの映像に出てきた化け物はヨモツシコメだったのではないかという話がされ、最後に依存症患者共に山に行っていた職員の1人が入手していた映像の紹介。
警告映像。これはどこかの部屋で女性がカメラの方を向いており、その顔がレンズ越しで見ているように歪んでいくというもの。途中で影とかも出てくるまずまずの内容なのだが、本作の他の映像の方がはっきり言って怖かった。人にもよるだろうが個人的には、一番最後の警告映像が他の映像より弱いというレアなケースを体験したと思った。


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