ほんとにあった!呪いのビデオ・封印映像他感想 封印映像

封印映像シリーズ(36~40) 感想

2020/04/04

封印映像36 きれいになりたい      ★★★

封印映像 36 きれいになりたい
全4本を収録。作り物感が強く、あと展開も読みやすいのが難点。これまでのやり方の踏襲ではあるので安定している。

「タイムカプセル」
こういう恐怖映像では定番のタイムカプセルネタ。かつての同級生がタイムカプセルを掘り起こすために集合。どこかの林にて目印の木を見つけて掘り始める。どうせ掘っている最中にその場にいなかった奴が出てきたり、いじめられていたり転校したり不登校だったりした同級生の因縁が語られるんだろうと思ったら、だいたいその通りだった。そろそろこのパターンからの脱却が必要ではないか。タイムカプセルの中身が空だったりとか、他の人たちのタイムカプセルだったりとか、変化がほしい。
映像の小道具はまあいいのだが怖さがいまいち。最初に出てきた時点で終わっておけばよかったのに、攻撃まで始めるのが蛇足。霊能者のジョン・クロウ氏が登場するので彼のファンは楽しめるだろう。

「指が好きな女」
投稿者がかつての高校の友人と久々に会った際の動画。友人は会社の研修があって投稿者の住んでいる街へやってきたらしい。あまりモテなさそうな外見だからか、投稿者は友人のためにホテルに風俗の女性を呼ぶのだが、その女性がやばかったという話だ。部屋で行為が行われそうなのを投稿者が隠れて撮影したときに悲劇が起きる。見えないところから悲鳴が聞こえてくるので結構な緊張感があった。今作の中では好きな方。

「シンクロニシティ」
投稿者が友人の女性の誕生日を祝っている映像。友人はしばしば体の調子が悪くなり、座り込んでしまう。回復したかと思うと腕にあざができるなど不可解な事象が続き、ついに何者かが出現。女性の霊らしい。タイトルの意味がこの辺でわかる。たいそうな話が始まるのだが映像のわざとらしさのために何も心に響いてこない。

「きれいになりたい」
以前にコンビでネットアイドルをしていた女性が投稿者。相方のメグさんとともに、ファン向けにアップされた映像だ。ライブ後に、差し入れされたプレゼントを紹介している。2人の間にわざとらしく鏡が置かれており、多分この中に何か出てくるのだろうと予想される。
誰かから差し入れられたクシをメグさんが気に入り、早速その場で使って「きれいになりたーい」と叫ぶ。後から持って帰ったようだ。投稿者はもう一本動画を用意してきており、撮影された時点ですでに悲劇が起きていた。怖さはまずまず。ちょっと前に見た「Not Found36」でもクシの話があったので、妙な気分になった。

封印映像37 廃工場に蠢く      ★★★

封印映像 37 廃工場に蠢く
1番目と3番目はいろいろと印象に残る場面があった。

「脱皮」
中学校の同窓会があり、投稿者らが帰るときに友人が撮影していた映像。投稿者自身は途中で離脱しており、結果として難を逃れることとなった。友人2人が引き続き片方の家で飲むこととなり、その様子は録画され続けていた。家までの道中で何者かが後ろからつけてきていることに気づきその場は逃げたのだが、自宅近くにも現れたため素性を確認すると、同窓会に来ていなかったクラスメートであった。
投稿者によると、このクラスメートをいじめていたのが映像の友人2人だという。だいたいこの時点でこのクラスメートが攻撃してくるのだと予想する。ともかく続き。家で飲んでいると不可解な電話があり、ノックがあり、怪文書が新聞受けに投入される。短時間で一気に嫌がらせだ。ドアを開けたら先ほどのクラスメートが侵入しようとしてきてドアに挟まれるが、そのときに顔の皮だけがはがれたようにそこに落ちた。そして顔面の筋肉がむき出しになった男が襲ってくる。
展開としては予想通りだったが、事象としては恐ろしいものだった。

「廃工場に蠢く」
2番目の映像で早くもタイトル作だ。撮影者は映像制作会社の社員。映画の撮影場所の選定中に撮られた映像であるという。人気のない廃工場に勝手に中に入っていく撮影者とアシスタント。
見て回っていると不審なでかい物音がしたので、アシスタントに確認しに行かせるが何もない。アシスタントが帰ってくるところで後ろに何者かが出現。それほどたいした内容ではないが、封印映像スタッフが現地まで取材に行って、出てきたものが何だったのかがわかったらしい。

「宝物箱」
珍しく子どもが主役の映像。女子小学生2人が遊びながらスマホで撮影したとのことだ。最近引っ越した同級生が河原にハムスターのお墓と宝物箱を隠したということで、それを探しに行った。
その中身がすでに気持ち悪い。しかも中に入っていたビニール袋を持ち帰って家で開封する流れで、予想外にグロ系に傾いている。女の子の顔に異常が発生しているのと、さらにもう一箇所事象があって気色悪い。嫌な感じで印象に残った。

「呪界の記録」
大学生が肝試しの最中に夜に撮影した映像。男女2人組だが女の方が文句が多くてうるさいが、男の方も自分が誘った割に積極性がない。会社での私みたいだ。
紐が巻かれた木の前に着き、金槌で釘を打ち付けるという儀式めいた行為を繰り返す2人。一通り終わったと思ったところで木の陰に女の顔。バラバラに逃げる2人。女性が撮影しているが、途中で男性の方が倒れているのを発見。しかもその体が何者かに引っ張られていってしまう。次に女性の方も引っ張られて、カメラを落として画面外に消えていった。ちょっとわざとらしさがある。

封印映像38 心霊スポット案内人      ★★

封印映像 38 心霊スポット案内人
たまにある玉置さんが中心の若手回。ビジュアル的にはいいのだが、どうも台詞のわざとらしさが目立ってきて少し集中力を削ぐ。スタッフが芝居がかっているのはいいのだが、投稿映像まで演技がクサく見えるのが困る。ちなみにほとんど取材メイン。

「トレーニングの代償」
ジムでトレーニングする会社の同僚達3人。山崎さんという女性は初心者らしく、経験者の清水さんという女性に厳しく指導される。ボクシングではボコボコにされてしまうが、おかしな動作をして清水さんをぶっ飛ばす。これに怒った清水さんが猛ラッシュで山崎さんを倒して、双方が苛立った雰囲気でその場は終わる。その後清水さんがバーベルを持ち上げていたら、手元が狂って顔面を直撃してしまい大けが。
スタッフは現場となったジムへやってきて、あるものを発見する。それは人形であった。玉置さんがそのまま手に持ってぶらぶらと往来を歩いているのがシュールだ。因果関係がわかりやすいが、事象が多すぎる。

「心霊スポット案内人」
まず投稿映像紹介。夜にどこかの山の中を歩いているようで、壊れた地蔵を発見したところで映像が乱れる。
スタッフは投稿者の片山さんに現地を案内してもらうことになり待ち合わせ。いつの間にかいる片山さん。なぜかスタッフに任せず自分で運転する片山さん。随所に変わった行動を見せつけてくる。道中で狐を轢いてしまい空気はますます重くなっていく。
現地に着いたのは夜だが、片山さんが途中で姿を消す。玉置さんと同行スタッフとで地蔵は発見できたが、パニックになり逃げ出す2人。玉置さんがわざとらしく暴言を吐いていてキャラ付けに余念がない。片山さんと音信不通になり、現地で撮影した映像にも何か映っていたというところで終わりだが、かなりわかりにくい内容。メインタイトルに据えるほどの内容だろうか?

「隣人トラブル」
赤ん坊を住んでいるマンションの部屋で撮影していたところ、天井に気配を感じた投稿者。そこには浮き出てくる顔があったというのが映像の内容。封印映像のシリーズにしては珍しいぐらいに映像が短い。最初から取材ありきなのだろうか。現地のマンションへ玉置さん達が向かう。
投稿者は取材を拒否する姿勢だったが、説得の末になんとか話を聞けるようになる。映像の赤ん坊は投稿者の息子だったが、最近亡くなってしまったとのことだ。マンションの隣の部屋の住人がおかしな人らしく、トラブルがあることを教えてくれる。しかしその人に全ての原因を求めるのもどうかと思う。だいたい霊らしきものは天井から出てるわけだし。

「ピアノ発表会」
今回は消化不良の映像が多いが、これは派手だった。タイトルが出てくるのがかなり遅い。
ピアノの発表会のためにホールにやってきた投稿者とその娘。早く来すぎたために楽屋で待機。事前練習のためにピアノの元へ行ってみたが、まだピアノはチェック前で使えない。おかしな音がする。後になってホールの方からピアノの音がしたために向かおうとしたところで、彼女らは異様なものを目撃することになる。
今回も取材。ピアノに何かあるのではないかと考えた玉置さんらがホールスタッフを追求したところ、やはり何かあったのだった。事象は投稿映像と取材映像の2箇所に映っている。

封印映像39 都市伝説 赤シャツの男      ★★★★

封印映像 39 都市伝説 赤シャツの男
全体的にわかりやすい内容が多い。わざとらしいとも言うがインパクトはある。特に表題作はなかなか強力で印象に残った。

「アナログテレビ」
夜に友人と肝試しに行った投稿者。検索したら出てきたらしい心霊スポットに向かう。そこはかつては何かの施設らしい廃墟で、ある部屋にアナログテレビが置いてあるのを発見。投稿者が触っていると突然電源が入り、ザーと音がする。さっさと次へ行こうとする友人に対して、テレビに映っている映像に注目する投稿者。
監禁されているかのような人の姿が記録されており、慌てた投稿者が逃げて友人が後を追うもののはぐれてしまう。本格的な廃墟探検映像となるが、どうも先ほどテレビに映っていた人はこの施設内に監禁されていたようだとわかる。まあそりゃそうだろう。違う場所だと話がよくわからなくなるし。
そして唐突に物音がして、天井から何者かが襲ってくる。急だったので驚いた。取材によって廃墟がかつて何に使われていたのかがわかって得心がいった。

「浮遊する魂」
投稿者の大学の時の知り合いが撮影した映像だという。投稿者の女性の家で集まろうという話があり、Aという知人の男性が当日早々とやってきた。このAというのが投稿者の家で怪しげな行動をとり、特に投稿者が飲み物を準備しに行ったあたりが気持ち悪くて面白い。テンプレ的な行動ではあるが、なんとなく話の展開が読めてきた。しかしタイトルとの関連性はまだ不明だ。
Aは実は投稿者のことが好きだったと唐突に告白してくるのだが、きっぱりと拒絶される。Aは追い出されてしまった。悲惨な話だ。Aがカメラを部屋に置き忘れたため投稿者が追いかけると、階段から落ちたAの姿があった。以降はまたベタな内容。しかし封印映像によくある歴史ネタだけはちょっと詳しめだ。

「うらない」
同居している友人の落ち込みが激しいことに気づいた投稿者。どうも友人は占い師に相談に行ったあたりからおかしくなったということで、投稿者が自ら客を装って占い師を調べに行く。
実際の受付と占い師の語り口は割と聞いていて心地よいのかなと思った。しかし投稿者は占い師を論破してやろうと意気込んでおり、途中から言うことを全部否定し始めるのでやたらとハラハラする。相手がブチ切れないかと怖い。
やはり豹変する占い師とその助手。そして結構凄いことになる。やるなこの占い師。もっと別のことを頼むべきだった。

「都市伝説 赤シャツの男」
私は勉強不足でこの都市伝説についてよく知らなかった。投稿者が持ってきた映像には、家族の他にも赤シャツの謎の男が映り込んでいた。謎のノイズは彼の現れる前兆なのか。何か会話がなされたようだがノイズで聞き取れないのが惜しい。
他の投稿映像にも同じ赤シャツの男が登場しているものがあってそちらも紹介される。友人同士の飲み会の最中にノイズが入り、席にいつの間にか赤シャツの男。友人の1人の様子がおかしくなる。
霊というよりも実際にその場にいたようにしか見えないのが異質だ。この男はこの2箇所に限らず、他の人の写真にも映り込んでいたことが調査によって判明。そしてスタッフの取材中に発生したノイズの中にもその男。なんでこのときはノイズの中という控えめな出方なのだろうか。他の映像みたくはっきり出ればいいのに。

封印映像40 怨送り      ★★★


記念すべき40作目。収録映像自体はいつも通り手堅いが「ビニラー」以外は印象に残らず。しかしその「ビニラー」も単なるホラー映画の1場面という印象で、もうちょっと何かほしかった。

「トマソン」
トマソンというのは、どこにもつながっていないドアや階段など意味のないような建造物の総称。そのマニアの男性が撮影した映像。赤瀬川源平が作った概念とかと聞いたことがある。活躍できなかったトマソンという野球選手の名前が由来と言われているが、このトマソンは20本塁打打った年があるので酷評されるのは気の毒だ。
さて、このときの題材は芸術的なドアだそうだ。投稿者はそれがあるというビルの中にズカズカ入っていく。目的のドアはあったものの期待外れだったようだ。勝手に鍵が開いたり扉を叩くような音がするなどちょっとした事象はあったが、私もこの映像に期待外れである。
しかし2本目があって、投稿者が家に帰ってから怪異に遭遇する。トマソンは関係ないんじゃないか?

「撮り鉄」
いわゆる撮り鉄の男性の投稿。そのまんまのタイトルだな。雨の中ネット投稿用に動画を撮影していたのだが、電車が出てくるはずのトンネルの中におかしな男が出現して首が落ちる。それにもめげずに撮影を続けていたら、電車の窓ガラスにまた男。しつこいな。私は鉄道に興味はないが、投稿者は撮影を邪魔されて気の毒にも思う。

「ビニラー」
不動産会社の男性が、異臭や騒音の苦情が寄せられている部屋の様子を見にいった際に撮影した映像。入口にビニールが貼られているという、ちょっとヤバそうな出だし。夫婦が住んでいるそうだが誰も呼びかけに応じず中に入ると物が散乱し、至る所にビニール。気持ちが悪い。
そしてビニールの向こうから女が飛びだして襲ってくるというビックリな展開。不動産会社の男性は捕まってしまい、以降は謎の女が撮影を続ける。結構インパクトのある内容だった。投稿者はこの映像を見てからビニールの音に興奮するようになったというどうでもいい報告もある。

「怨送り」
投稿者が高校時代の友人2人とホームパーティーを撮影した映像。同級生の男子生徒が最近亡くなったことが話題になる。撮影中に物が落ちたり、部屋の隅に謎の男の姿があったりしたものの、とりあえず解散。しかし帰り道で友人の1人が道路に飛び出して、轢かれて亡くなる。
もう1人の友人は「怨送り」というまじないについて語る映像を撮影しており、投稿者の元にその映像が送りつけたあとで自殺。投稿者は残された自分も危ないのではと怯えている。さて今回もおなじみの霊能力者ジョン・クロウ氏の登場だ。彼が聖水を使って除霊する。「怨送り」の意味とかはわかったが、短期間に2人死んでいるというおぞましい事件の割にふわっとしたまじないで脅威があまり伝わってこなかった。


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