ほんとにあった!呪いのビデオ・封印映像他感想 心霊スパイラル

心霊スパイラル 感想

2020/04/19

心霊スパイラル 001     ★★★★

心霊スパイラル 001
新しいシリーズ。プロデューサーはいれども素人学生らがメインで活動しているようなので不安だったが、話はしっかりと練られていて予想以上によかった。

「祖母の家」
投稿者が前に亡くなった祖母の家を解体前に訪れて撮影している映像。しばらく廃屋内の映像が続いていたかと思うと、そこかしこに子どもの姿が現れる。まずまずの内容だが特に解説もなく終わってしまう。じゃあ実際に子どもがいたんじゃないの。

「免許合宿」
免許合宿にやってきた仲間たちが部屋に集まる。飲み会をしたり窓から釣りをしたりとエンジョイしている様子を見せられる。エレベーターに乗ろうとしたところでまたも子どもの姿。子どもネタ多いのか?

「僧侶の祟り 前編」
2017年、新企画の立ち上げのためにスタッフ募集の面接やオーディションが行われる。伊藤、清水の男子大学生と、前田という女性レポーターが採用された。大学生2人は負のオーラを感じさせる容貌で面白そうだ。
映像紹介。投稿者が友人たちとハイキングに出かけた際の映像で、茨城県の御前山で撮影されている。こうした心霊映像系で、完全に場所を明らかにしているのは珍しいな。
山道を奥へ奥へと入っていったら日が暮れてきて、その先で廃寺を見つける。中に入って探索を始める一行は、奥で金の祭壇を発見。中にあった鏡に興味を魅かれたところで轟音が響く。そして謎の僧侶らしきものが出現する。

スタッフたちはこの件について調査を開始。廃寺の由来や御前山自体に何かないかを調べ、さらに投稿者に話を聞くことに。投稿者の橋野さんは同行していた静香さんという女性と結婚しており、彼女は妊娠しているという。橋野さんらに話を聞いて、スタッフは実際に御前山に寺を探しに行くが、見つからないままその日は終わり。翌日は二手に分かれて、大学生2人が資料の調査、レポーターの前田さんは人々に聞き込みだ。すでにこの調査パートで20分もあるのだが、ドキュメンタリーとしてなかなか面白いので退屈せずに見ていられる。どうもこの御前山は、奈良時代に隆盛を誇った僧侶である道鏡にゆかりがあるという。久々に聞いたな道鏡。後編へ。

「4周」
投稿者たちが廃ホテルを探索している映像。心霊スポットとして有名になっており、建物の中を4周すると新しい世界に行けるという、意味のわからない噂があるようだ。実際にやってみる一行であったが、途中で自分たち以外にも誰かいることに気づく。ハラハラする展開でよかったが、意外と出てきたものがおとなしかった。

「島」
美大生である投稿者が友人と小さな島に出かけて撮影した映像。島の探索を終えて帰ろうとしたところで、1人がマフラーを置き忘れたことに気づいて引き返す。海岸の岩場で発見できたが、その背後に何者かが忍び寄っていた。そこそこインパクトはあるが、その先が語られないために一発オチにできれば満足というのが透けて見えるのが惜しい。

「僧侶の祟り 後編」
調査を続けている一行。道鏡が一部で多産の神として崇められているということや、御前山周辺の神社に謎の参拝客がいることなどがわかってくる。
そんな中で橋野さんの妻である静香さんから連絡があって、密かに話を聞いてほしいという。廃寺に入ったその日の記憶がなく、映像にいた謎の僧侶に襲われるという夢を見るそうだ。ということはそれは道鏡か。
調査の末に一行はついに問題の廃寺を発見。レポーターの前田さんが1人で入っていくことになった。このノリは「Not Found」シリーズで杉本さんが1人でレポートさせられる展開に似ていて無理やり感があるのだが、意外とこれが最後の部分にもつながっていて面白かった。前田さん撮影の映像自体は、先の投稿映像とあまり変わらないのでややそこの衝撃というと薄い。しかし静香さんに残されていたサンスクリット語の痣の意味など、今後どうなるのか考えさせられる要素が多く、良質なホラー小説のようだった。

心霊スパイラル 002     ★★★★

心霊スパイラル 002
前作はなかなか面白かったが、なぜかこのシリーズのイメージが「素人集団の調査」という形で頭に固定されてしまった。第2弾の今作もあまり期待せずに見始めたのだが、これまた面白かった。侮れないシリーズだ。

「撮影会」
地下アイドルの撮影会に参加した2人とアイドルとマネージャーの4人が古びた街で撮影しながら移動する。参加者はコテコテな容姿と言動。そしてアイドルはサービス精神を発揮しつつもマネージャーに文句を言いすぎ。
参加者のカメラ以外にビデオカメラでも撮影されているのだが、ノイズがやたらと入る。アイドルが入っていったトイレ内には謎の女。そしてどこかの河川敷で首だけ埋まった人がいるという不気味な映像に切り替わる。不思議な内容。前半の必要性を感じないがなかなかよかった。

「川辺にて」
山奥の川辺でバーベキューをしている若者達。森の中に何かの姿が認められ、確認したところ不気味な女がいた。これはまあ普通。

「辺りの女 前編」
心霊スパイラル事務所に男が現れる。前作で活躍した前田さんという女性レポーターが、その後行方不明になってしまったという。男はそのマネージャーだった。調査方針について怒るマネージャー。ディレクターの西方さんと前作からいるスタッフの清水君が応対する。
このマネージャーから清水君へのクレームが入り、西方さんとの諍いもあって清水君は現場から離れることになった。どちらでもいいけど。代わりに入ったのが加藤さんという、ドイツ語が得意な青年。この加藤さんが結構仕事ができる人で、嫌そうに思える仕事も率先してこなしているので個人的には嫌いでない。
さらに前田さんの事務所から三坂幸子さんという女性スタッフが紹介された。ナレーションでは「みさかゆきこ」と言われているのに、自己紹介は「みさかさちこ」である。いきなり不安になるのでなんとかしてほしい。

全部流れを書いていくと長くなってしまったので簡単に書くと、この三坂さんが勝手に調査する映像を決め、友人の蒲田さんを呼んで段取りもしてしまう。映像自体は湖で夜釣りしていたところに謎の女が登場したという内容。これは実際にそこに人がいたとしか思えず特に怖くない。

結局この映像について調査が始まるが、取材当日に三坂さんがドタキャンしたことが発端で、方針について三坂さんと西方さん&加藤さんとの対立が起こる。スタッフが揉めてばかりだ。取材に使うカメラを奪って三坂さんが逃げ、勝手に蒲田さんと取材開始。一方の西方さん達も取材を進め、同じ映像について2方向から取材されるという珍しい展開になる。結構意外性があって楽しいぞ。後編へ。

「卒園式」
タイトルの通りの内容。座っている園児の間に歪んだ顔が登場。かなり不気味で特に救いがなく怖さもある。

「夢の島にて」
ここはゴミ処分だったことで有名。全裸男が出現するらしくそれを撮影しに行ったようなのだが、撮影者2人組が軍事かぶれで兵隊のような口調で喋るという、何に注目したらいいのかわからない内容。「巡回の任務に当たります!」とか言って敬礼されても困る。カップルにいちゃもんをつけて頑張っていたら、全裸男の下半身のみが出現。面白くはあった。私もこの動画を見てから、この前買い物に行く途中で同じような下半身を見たような気がする。

「辺りの女 後編」
夜に例の湖に行った三坂さん組と西方さん組。事前の加藤さんの調査によって出現していたのがどういう霊かがだいたいわかる。有能じゃないか。
前編同様に人が演じたとしか思えない霊が出現し、一同はパニックに。三坂さんはスタッフを辞める。肝心の霊が怖くないのがマイナスだが、予想の付かない話運びには驚かされた。

心霊スパイラル 003     ★★★★

心霊スパイラル 003
スタッフ間でドタバタやっている展開は過去2作と同様。今回も映像が撮影された現地まで乗り込むがこれが結構面白い。

「団地」
投稿者が住む団地で迷惑行為を繰り返す若者を撮影した映像。撮影している最中にその若者達に見つかって追いかけられてしまい、カメラを回しながら投稿者は逃げる。その最中におかしなものが映り込んでしまうのだが、どちらかというと若者達とどうなったのかの方が気になる。

「枯れたダム」
ダムでインスタ映えしそうないい写真が撮れそうだということで投稿者と友人が山までやってきたのだが、なんとそのダムは枯れていた。それでも1人がダムの奥まで行って何か撮ろうとするのだが、ぬかるみに嵌まったのか動けなくなる。そして背後には3体の謎の影が迫る。いいところなのだがここで映像は終わり。続きが気になる。

「献血の会 前編」
ある宗教団体の宣伝映像だそうだ。ホテルの一室で横になっている信者の腹に教祖が手をかざし、光を入れるとかいろいろやる儀式が記録されていた。
投稿者の名前が「片山さつき」でビビる。どうもこの宗教はサル様というのが神様らしく、それに血を捧げれば子宝に恵まれるという効能があるそうだ。片山さんの姉が不妊に悩んでおりこの儀式を受けると言い出したため、投稿者は教団を調査してほしいと心霊スパイラルのスタッフに依頼してきたということだ。これまでのシリーズを見て、よくここに相談しようと思ったな。しかもここでは宗教の調査はしていないと断られたりする。

前回からいたスタッフの加藤さんは続投している。しかし喧嘩別れしたはずの清水さんまでやってきた。やめてなかったのかと思ったら交通費を借りに来ただけだという。せっかくなので調査に加わることに。なかなかフリーダムな職場。清水さんのギャラが発生するため加藤さんのギャラが半分になるという。凄いな。この辺のゴタゴタの方が映像より面白いぞ。

そしてシリーズ001にいた女性スタッフ前田さんも復帰だ。この宗教団体は怪しいという判断の下で投稿者の片山さんの姉を直接説得するが、聞き入れてもらえず前田さんがビンタする。うーむ。直接前田さんが入団希望者として、ここの教祖に会う。資格のない人の行う採血は違法だという点からその言質を取る作戦。うまいこと進んでいるかと思ったが、教祖から前田さんは妊娠しているとの気になる一言も。
あともともとの宣伝映像におかしな男が出現していたのでそこが紹介される。後編へ。

「川」
どこかの山中を流れる川で大人と子ども複数人が遊んでいる。水中に何かいたという、それほど珍しくはない事象。

「山から降りるもの」
ある女性が、かつて交際していた男性が登山に行くところを見送りに行った際の映像。机に置いたカメラが撮影中なのに男性が浮気っぽい電話を始める思わせぶりな場面もあり、むしろその後の事象よりそちらの方が興味深いかもしれない。どうもこのシリーズは映像自体よりも脇の要素の方が面白く気がそれがちだ。

「献血の会 後編」
検査をするとかなんとかで教祖とともにホテルへ行ってしまった前田さん。血を抜かれてしまったそうで、清水さんがブチ切れて上司の西方さんの責任を問う。こういう前田さんのことが好きな熱血系キャラとして今後やっていくのだろうか。そして翌日からまた前田さんが行方不明になった。前田さんの持っていたボイスレコーダーにはノイズしか残っていないということで、教祖の発言の証拠にならないそうだが、前編で前田さんと教祖の会話が映像と共に流れてたじゃないか。よくわからないな。

前田さんの行った先はどこかの島。映像にあった猿田彦などの情報からすると東京の神津島のように思える。神津島には海岸近くに廃墟となったホテルがあるそうだが前田さんもスタッフもここに入っていったのだろうか。捜索の末に廃墟ホテル内でも怪現象があり、清水さんがちょっと怖い感じのことを言い出して終わり。伏線とかがなかなか丁寧で、小説仕立てであってもなかなか面白いホラーになっていただろうと思う。


一覧と履歴

-ほんとにあった!呪いのビデオ・封印映像他感想, 心霊スパイラル