ほんとにあった!呪いのビデオ・封印映像他感想 封印映像

封印映像シリーズ(41~45) 感想

2021/06/06

封印映像41 田中      ★★★

封印映像 41 田中
「田中」という切り札のようなタイトルをつけた作品。なぜか節目となる40本目ではなく41本目に持ってくるという不思議さ。内容は平均ぐらい。わざと後味が悪い展開にしようとしているので、苦手な人はいるかもしれない。

「ツーリング」
ツーリングが趣味の投稿者が、1人でヘルメットに付けたカメラで撮影している映像。峠まで来たそうだが道に迷い、近くの人に聞くと先へ行かない方がいい旨を告げられる。
それでも行く投稿者は女性ものの靴や免許証が落ちているのを発見。面白くなってきた。そしてやはり道中で何者かに襲われて転倒してしまった。肩をつかまれ、目の前に女の霊らしきものが出てくる。ちょっとビックリだ。
スタッフはこの峠について調べたそうだが、謎の免許証が映っているんだからそちらを調べるべきでは?そっちはどうなったのかは報告なし。

「お葬式」
母と娘の親子が実家に帰省したときに娘の方が撮影した映像。冒頭からわざとらしい会話をありがとうという感じ。誰が演技指導してるんだ。母親の妹とその夫も実家に帰ってきたのだが、妹の友人が亡くなったそうでその葬式帰りだ。娘の方は注意されながらも撮影を続ける。
そのうち妹の方が苦しみ始め、娘のカメラには怪奇現象がはっきりと映っていた。わざとらしさはあるが、昔の伝承と結びつけてくる封印映像お得意の構成ではある。

「ビデオレター」
ススムさんという男性が病気で余命宣告を受け、娘に向けてのメッセージを撮影したビデオレター。私も子どもがいるのでいろいろと考えさせられる内容だ。娘との思い出話を語るくだりが涙を誘う。そんな映像の中にも後ろの方に謎の人影。映像投稿者はススムさんの別れた妻。
さて映像がもう一本あり、娘が卒業式当日に登校する様子を妻が撮影した内容。だいたいこのあたりでススムさんが出てくるんだろうと予想が付く。やっぱり出てきた。
そもそもススムさんは当然娘にビデオレターを見せてほしがっていたのだが、この妻の方が独断で止めて見せなかったという。さらに後からの卒業式の日の映像と合わせてスタッフに供養してほしいという。要するに妻はススムさんを疎ましがっており、娘と切り離したがっているのだ。視聴者をむかつかせる構成になっている。

「田中」
田中さんがいきなり出てくるのだが、映像自体に封印映像の田中さんはあまり関係ないようだ。映像投稿者は動画を配信して収入を得ているようで、そのために撮影した映像。心霊系の内容なのに女性スタッフの明美さんの喋りが明るすぎるという注意がされ、その際に「田中みたく喋れ」という指定がある。
投稿者と明美さんと廃墟の紹介者の男性の3人で中に入る。この明美さんにいろいろ無茶してもらうという筋書き。怪奇現象が起き、明美さんの様子がおかしくなってくるあたりまではパワハラ描写もあってそこまで面白くないのだが、唐突に不気味なものが映り込む。
この投稿者自身の倫理観を問うような内容になっているのだが、正直タイトル負けしている内容なのでそちらにはがっかりだ。せっかくインパクトのあるタイトルなのに。

封印映像42 死水      ★★★★

封印映像 42 死水
展開自体は予想できないこともなかったが、見せ方がなかなかビックリするような内容が多かった。ジョン・クロウ氏と中深迫さんの豪華共演もあってそれも驚き。

「泣く女」
デリバリーのマッサージを頼んだという投稿者が、その様子をこっそり撮影していた際の映像。当然ながら御法度なことで、バレるとただでは済まないわけだがどうしてもやってしまったらしい。
やってきた女性は普通な感じで特におかしな様子もなさそうだったが、トイレを借りると言って入ってから全然戻ってこない。投稿者が様子をうかがいにそちらへ行くと、トイレと反対側の方向から現れていきなりベッドに腰掛けていたりして面白い。
さっそく服を脱がせてくる女性だったが、投稿者がいきなりビビったのか撮影していたことを白状すると泣き出してしまう。様子がおかしくなってきたのだが撮影を続ける投稿者。すると女性の目から何かがボロボロと落ち続け、ビビる投稿者を尻目にそのまま去ってしまう。ちょっと終わりだけが物足りなかったが、なかなか驚かされる内容でよかった。

「お手入れさん」
投稿者の元に突然届いたという映像。どこかの学校で撮影されたものらしく、「お手入れさん」というおまじないが題材のようだ。トイレで「お手入れさんお手入れさん、私の体にお手入れください」と言って個室に入るとかの儀式を行うと、顔が綺麗になるそうだ。そうなのか。
1人が中に入ってそれをやっていると個室の下から血が流れてきて、後は惨劇が待ち受けていた。最後のところでこれもビックリ。

「アメダマリ」
投稿者の恋人が写真の専門学校に通っており、一緒に写真を撮って歩いたりしていたそうだ。投稿者が普段通らない道を通りたくなり、そこで見つけた水たまりに気を取られる。前日から雨が降っていなかったのになぜか水たまりができていた。
次の日以降もその水たまりのところへ行った投稿者は、その中に魚がいるように見えたり、終いには水たまりの中から女が出現し前に回り込まれたりした。これもなかなか驚き。恋人とも音信不通になってしまい関係があるのかもしれない。今回の映像は突然出てくるパターンが多いが、総じて効果的だと思う。

「死水」
投稿者の友人が大学を休んでおり、彼女と共に見舞いに行くことにした。友人は様子がおかしく、彼女が身の回りのことをしようとしたが水道からは変な色の水が出てきた。そして友人の首からの上のところに異変が出たところでこの日は退散。
さっそく登場したのが霊能力者のジョン・クロウ氏。さらに友人の部屋の除霊が必要とのことで霊能者の中深迫さんも呼ばれる。封印映像シリーズの2大スターの共演だろう。空気がどんよりとしてきた。
嫌がる中深迫さんを説得してなんとか除霊してくれることになった。唐突に彼の顔のモザイクがとられるのが面白かった。ジョン・クロウ氏は部屋のどこが問題かを指摘してサポートし、中深迫さんが根性で除霊を成功させた。普通であれば最も盛り上がるシーンのはずなのだが、特にそういうこともなかった。

封印映像43 御井戸様      ★★★

封印映像 43 御井戸様
事象に派手な内容が多かった。どんどん本物っぽくなくなっていくのだが、大げさな方向に行くのもそれはそれで面白い。

「ブランコ」
投稿者が夜に友人と共にナンパに行き、結果が芳しくなかったために帰ろうとしていたところでその道中にあった公園に立ち寄る。というのも友人のSさんにはブランコのようなキーコキーコという音が聞こえていて、そちらに向かったのである。
2人が行くと無人のブランコがひとりでに揺れ始め、なぜか目線を外したらブランコそのものが消えるというわけのわからない展開。少ししたらブランコが復活するのだが、包帯姿の謎の女性が笑いながらブランコをこいでいるという、さらにわけのわからない状況となっていた。友人は頭がおかしくなってしまったようだ。まあ、普通の人がブランコをこいでいたようにしか見えない。

「古民家探し」
仕事を辞めて古民家に移住しようとした投稿者が、不動産屋に頼んで物件を見て回っているときに撮影した映像。その古民家というのがどこかの県の藁蕊谷(わらしべだに)というところにあるそうだ。不動産屋の不手際で家の鍵が開かなくて、それを取りに行っている間に投稿者は1人で撮影しながら周囲の山を見て回る。しかし道に迷ってしまい呼吸が苦しくなり始める。ガスのようなものが充満しているように見える。
投稿者は山中に倒れ込んでしまうが、カメラが周囲の様子を映し続けていた。着物姿の子どもが登場。
この山とか地名の由来とかにもっともらしい説明がされるのはよかったが、映像自体があまり怖いわけでもなかった。

「サバイバルゲーム」
通常サバイバルゲームは専用の場所でやっているそうだが、たまには自然の中で思う存分やりたいらしく投稿者達がつてを頼って山の中へ。迷いまくって目的地へ到着し、さっそくゲーム開始。楽しんでいったん集合となったのだが1人が戻ってこないため、参加メンバーは散らばって探しに行くことに。
そこで投稿者は倒れている人を発見するのだが、ここからが驚きの展開となっていた。やりすぎではあるのだがたまにはこれぐらい大仰にやってくれてもいいと思う。今作の中では最も面白かった。

「御井戸様」
大学で民俗学を研究していた投稿者と友人がある地域の神社や資料館を訪ね回り、その日の夜に現地の旅館に宿泊した。そこの女将からは、今夜この地域で神事が行われるので、外出禁止だと伝えられる。しかし友人はそういうのこそ見に行きたいと主張して、投稿者と2人で旅館を抜け出す。
村の空き地らしきところで儀式が行われている様子を目の当たりにするが、音を立てたことで慌てて逃げ出す2人。友人とはぐれてしまい投稿者が探しに戻ったところ、儀式をやっていた人たちに捕まってしまっていたようだった。
ここからはもはや友人がどういう目に遭わされるのかという心配な気持ちで見ていたが、割とビックリする展開。まさか妖怪のたぐいをオチに持ってくるとは思わなかった。

封印映像44 寄生虫      ★★★

封印映像 44 寄生虫
タイトルからしてグロ路線を予感させる。今回のスタッフは玉置さんが登場。ということはやたらと取材が多くてフィクションっぽさが他の回の倍ぐらいある展開なのだろう。

「道連れの場所」
いきなり映像紹介から。高校の屋上までこっそり出てきた投稿者は女子高生の荒賀さん(仮名)。授業をサボってのびのびしようかと思っていたところで、屋上に他の男子生徒が現れる。慌てて隠れる荒賀さんに気づかないのか、男子生徒は屋上を歩いて端の方まで行き、謎の器具を使って何かを測っているように見える。
そして唐突に落下してしまい、慌てて荒賀さんが地面を見たが、そこには誰も倒れていなかった。霊だったのか。

今回の封印映像スタッフはおっさんの山口さんと美人の玉置さんだ。荒賀さんにインタビュー。仮名であるはずなのに「荒賀さん」と呼びかけている。
玉置さんは多分ファンがいるのだと思うが、そうした人たち向けなのか、現場の高校に忍び込む際に玉置さんが制服を着ている。コメントしづらい。玉置さんの推理が冴えて、男子生徒が使っていた器具や、唐突に出てきた暗号の謎が解かれる。そして屋上へ行ったところで事件が起きた。ホラー映画っぽい展開で楽しめた。

「心霊スポット案内人2」
映像の中身はヒッチハイクで車に乗ったとおぼしき撮影者が、運転手の身の上話を聞きつつ道中連れ立っているもの。運転手が煙草を買いに車を離れ、1人残された撮影者を怪異が襲う。割とびっくり。

しかし映像の中身よりも玉置さん達が興味を持ったのは、封印映像38に収録された「心霊スポット案内人」と同じ人物が送ってきた映像であること。玉置さんは前回心霊スポットに行った際に靴を片方置いてきてしまった。映像を送ってきた人物は片山さん(仮名)で、靴を返したいという。仮名であるにもかかわらずスタッフ間でも片山さん呼びである上に、本人から電話がかかってきたら「片山さんですか?」である。もう仮名って設定をやめちまえと思う。なんで誰かわからない人からかかってきたのに仮名で呼ぶんだよ。確認できないだろうが。
玉置さん達が靴をもらいに指定された山まで行ったら、また怪奇現象に巻き込まれたという展開。事象は派手だがお化け屋敷みたいだ。最初の映像の話が消化不良。

「二口女」
予告編では都市伝説とか言われているが、二口女は昔からの妖怪の名前だろう。アパートのゴミ捨て場を荒らしに女が出没するということで、その様子を撮影した投稿者へ取材に行ったところ、玉置さんが投稿者の家で寝泊まりして女が現れるのを待つという気の毒な展開になる。
3日も待機していたらついに遭遇したという話。わかりやすい内容だった。

「寄生虫」
スタッフ山口さんの大学時代の友人である内田さんの身体に異常が起きたらしい。山口さんが会社に内緒で相談に乗り、玉置さんを巻き込む。内田さんは自身の様子を撮影しており、それによると皮膚の下に虫が這っているような状態になっていた。日によってそれが身体の中を移動しているようだという。ああ気持ち悪い。
内田さんは体調を崩し、病院へ行っているのだがろくな対処がされないようだ。気の毒。
当初は山口さんらが取材にやってきたのを拒んでいた内田さんだったが、数週間経って進退窮まり、カメラで撮っても良いからと山口さんを呼ぶ。しかし到着したスタッフを異変が待ち受けていた。もうちょっと引っ張るかと思ったが意外とあっさり終わる。

封印映像45 抜苦与楽      ★★★★

知らない間に悪意にさらされていたり、善意から取った行動がつけ込まれたりと、なかなか後味の悪い展開が多いが映像自体がなかなか面白いものだった。

「海の家」
男女のカップルが海水浴場へ行って撮影した映像。タイトルが海の家だが、なかなか海の家に行かずに海でイチャイチャしているところが長い。男の方が水中で撮影できるカメラを使っているが、日本の海水浴場らしくあまり綺麗な海ではないので見ていてもあまり楽しくはない。
そんな展開の後に女性の方が何かに引っ張られていると訴え、男の方が潜ったらとんでもないものが映り込んだという展開。他のシリーズだとそれが写った時点で映像が終わるのだろうが、これはその後も長く、とりあえず無事に助かったところまで映っている。タイトルの海の家だが、昔この海水浴場の海の家で働いていた女の子が自殺したという噂があるそうで、そこから来ているみたいだ。はっきり言ってタイトルの付け方がおかしい気がする。

「ヤドカリ」
タイトルからは予想できない展開になっていて面白かった。投稿者に中学校時代の友人から連絡があり、どうも投稿者は悪霊に取り憑かれているので、そういうのに強い知人がお祓いしてくれるという。ということでさっそく投稿者の家に旧友と、彼が連れてきたTさんという女性がやってくる。投稿者は不審に思っていて監視カメラを仕掛けておりその映像紹介だ。
Tさんがお祓いをするそうだが、その際に投稿者は家から追い出される。そして旧友とTさんが残って投稿者の家で奇妙な行動。人型を作ったりそれに針を刺したりと、明らかにこれ呪いの方向なんじゃないかと思うような行動を取られ、やはり家に帰った投稿者はその夜に怪奇現象に襲われてしまう。
これが無茶苦茶驚いた。夜中に何かの気配を感じて玄関の方に向かう投稿者だったが、何もいない。しかし電気を付けると男の姿というのが複数回ある。2回目などはもう電気を付けたらどうなるか見ている側もわかっているので非常に緊張した。タイトルの意味はスタッフの調査によってわかるが、投稿者と旧友の間もそんなによい関係ではなかったことがわかって後味が悪い。

「ヒッチハイク」
バンド活動をしている投稿者と友人が宣伝を兼ねて配信をしていた。この日はCDを糧のジャケット撮影の場所を探すのも兼ねて車で山へ出かけていた。あまリ人がいない山道を進んでいると、途中でヒッチハイクをしている女性を見つける。乗せてあげる2人。女性の名前はミドリという。
ミドリはさほど不審な雰囲気はなかったが、指定してきた目的地は民家もない山奥であった。すでに夜になっているが、そんなところで彼女は降りたあげくに歩いて行くという。投稿者は心配になりミドリの後を追うが、そこには姿がない。続いている道もなかったことから投稿者は怯え始め、友人に早く帰るよう促す。しかしその道中にまたヒッチハイクをしている女性の姿。これは当然ながらミドリに似ているという。
2人が慌てまくるところで投稿者が後部座席を見るとなんとすでに乗っているというかなりスピード感がある展開。そして車は事故を起こす。最後にミドリらしき人物がカメラの方に寄ってくるのは少し蛇足かとも思ったが、ミドリが消える動きだけは意表をつかれた。

「抜苦与楽」
タイトルの読みは「ばっくよらく」。封印映像スタッフの田中さんが投稿者へインタビューするところから始まる。投稿者は自宅の他に仕事場近くにセカンドハウスとしてアパートの部屋をもう1つ借りており、そちらの部屋で布団が勝手に濡れるという異変を体験していた。しかも靴が移動していたりするというから明らかに怪奇現象で、解約した方がいい。
原因を求めて部屋を探し回ると、「楽抜与苦」という書き込みを発見。そしてもろに異変の元凶が登場する。これが部屋の中にいきなり出てきており驚いた。今回は結構驚く事象が多くて面白い。
タイトルの「抜苦与楽」は、仏や菩薩が生きているものの苦しみを抜いて楽を与えるという意味だと田中さんが説明してくれる。しかし部屋に書かれているのは楽を取り除いて苦しみを与えるという意味になり、逆である。あとは問題のアパートで何があったかの調査があって終了。


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