ほんとにあった!呪いのビデオ・封印映像他感想 心霊玉手匣

心霊玉手匣シリーズ感想

2019/01/06

心霊玉手匣     ★★★★

心霊玉手匣

呪いのビデオシリーズでおなじみの岩澤宏樹さんが監督を務めるシリーズの第一作目。割と早めに明かされるが、紹介される動画に関連性がある。元凶を探りつつ終盤にまとめてくる構成となっており、「呪いのビデオ55」や「THE  MOVIE2」を思い起こさせる。なかなか好きな展開だ。説明が長くなりそうなので後半はネタバレを避けてあまり書かないようにしよう。
まず「掲示板」、唐突感がある始まり方。掲示板に男性らしき人物の写真が貼られているが、顔の部分が削られていた。撮影者とその先輩は面白がって撮影していたが、不気味な存在が脇に映り込む。怖め。「激突」、高校生カップルが歩きながら撮影した動画。撮影していたのは男の方だが、いきなり何かに当たって倒れ込む。倒れた彼を見下ろす謎の女が登場。まあ普通か。
「霊がいるか調べる方法」、失踪した弟の携帯電話に残されていた映像を、姉が発見した。弟はまだ見つかっていない。彼は自分の部屋の中に霊がいるかどうかを調べる方法を実行していたのだという。結局いたらしい。目が見開かれているのが怖い。ここまでの3本に登場していた男性3人はいずれも亡くなるか行方不明になっているらしい。そして新たに紹介される資料も同じ地域で見つかったものであるという。
「八百比丘尼」、説明が若干面倒なのだが、どうも資料にも出てきた、昔から容姿が変わらない不老の女性(八百比丘尼らしい、地獄先生ぬ~べ~などで読んだな)がこの地域に出没しているようだ。ということでスタッフの後輩らしき男性が仲間とその女性を探しに行った映像が紹介される。霊のような女性が突然移動するのは驚かされる。
問題の女性の住む部屋に行く直前に、別の若い女性が走って出てくる。どうもその女性は彼女代行サービスのコンパニオンのようだ。この後は心霊玉手匣スタッフがその女性のサービスを頼んでみる形の取材となり、女性の正体がスタッフの暴走と恐怖映像「ボイストレーニング」「接触」「黄泉戸喫(よもつへぐい)」を挟みつつ徐々に明かされる。最後の「七人」で犠牲者が出たかというところで話は完結。90分以上あってボリュームたっぷり。満足できる内容だった。ただ関西弁のスタッフはなかなかウザくなりそうだ。キャラ立ちはしてるのだろうけど。

心霊玉手匣 其の二     ★★★★

心霊玉手匣 其の二

「自称超能力者の遺言」とサブタイトルがある。今作も100分以上ある大ボリューム。前作同様に、紹介される動画が最終的に結びついていく展開。
「歪む時間」、彼女と地方の旅館に泊りに行った投稿者が、酔い覚ましに旅館近くを散歩した際の動画。橋の近くに片方の靴が落ちているのを発見。なんだろうと見ていると、突然靴が宙に浮き、さらに謎の靴音と声、そして不気味なものが登場。冒頭からなかなか驚かされる内容。夜に散歩していて橋からすぐに帰ったはずが、旅館に戻った時には朝になっていたという。
「気配」、投稿者は押切さんという女性。最近誰かが何かを訴えかけてくるような夢を見るようになったといい、起きたときに何者かの気配もするため、部屋に監視カメラを仕掛けて撮影を行った。確かに怪しい影が出現。この時点ではよくある感じの動画。
「週末の音」、恋人と同棲している女性が、恋人の男性が不在時に、部屋で友人と飲み会をしていた際の映像。突然隣にある彼の部屋から、テレビの音声テストの「ピー」という音が鳴り出す。おお、不気味。友人と共に確認しに行ったが、暗い部屋に謎の顔が浮かぶ。どうも同棲している彼に似ているという。緊張感がある。
「終末の音」、今度はその恋人である彼の話。彼は土保(つちやす)さんという人で、大学の探検サークルに入っているらしく、この時は廃林道の終点を目指す道中で友人とキャンプしていた。テントの中で撮影していると、どこかから終末の音(アポカリプティックサウンド)が鳴り出す。土保さんは鳴っている場所がわかったのか、林の中へ走り出してしまう。友人の男性が土保さんを発見すると、彼は謎の発光体の前で座り込んでいた。これも不思議でよい。
土保さんはその後取材に姿を現すが、発光体事件以降、「生物の輪廻を体験した」などとなかなか精神が遠い所へ行ってしまったようだ。
結構濃い動画が続いたがまだ半分も来ていない。「メッセージ」、「気配」の押切さんが再び登場。メニエール病にかかっていたそうだが、治ったらしく友人と家でパーティーをしていた。その様子の映像を持参してきたが、そこにも不気味な顔が出現。流石に嫌になるだろう。スタッフは前作にも登場していた霊感女子高生、両角(もろずみ)さんに来てもらうことに。
以降は土保さんの独り舞台のような感じで、彼がいろいろと話をつなげていってくれる。「自称超能力者」「遺言」「証拠」「輪廻」と新たな動画も次々と登場し、むしろここからが心霊玉手匣シリーズの醍醐味か。
動画の紹介以降全く触れられていなかった冒頭の「歪む時間」も、終盤に話の本流と結びついていくのはなかなか興奮を覚える反面、あえて他のと関連させずに単独の動画であった方が、より不思議さや神秘性が増して良かったような気もする。この霊らしきものははなんだったのかと謎を残した方が個人的には好み(それだとこのシリーズで使えなくなってしまうのだが)。
全体的に面白かったが、やはりドラマティックにしようとするとノンフィクション色が薄れていくのは仕方ないところか。仮に押切さんの家族の人が見たらこの締め方には激怒するんじゃなかろうかと思うが、そういうお話だからいいかというバランスになっている。

心霊玉手匣3     ★★★

心霊玉手匣 其の三

タイトルのナンバリング的に「其の三」なのかと思ったら、パッケージには「3」と書いてあるのでそれに従う。
次の4と続き物になっているようだが、単品として見るとどうも物足りない。映像の怖さと展開の面白さを両立させるのが難しいのだと思うが、今回はどうも映像は演出過剰で、演技はクサいという悩ましい内容となってしまった。この後の4は評判がよいので、見たら今作の評価も遡及的に変わるのかもしれないが、現時点では不発。
なお、サブタイトルは「彼女の視ている世界」。収録時間は1時間ほど。

冒頭、「序章」。深夜にどこかの廃墟を探検している映像。室内を歩く髪の毛と服だけの霊がいきなり現れ、撮影者たちが車へ逃げ帰ると、車の中にも何かいた。なかなか良いスタートだった。
そしてタイトルが入り、「念写」の説明。今回のテーマは念写であるらしい。続いてカップルが夜に歩いているところの映像「覚醒」。男の方は岡崎さんというなかなかのイケメンであった。ところが突然彼が苦しみだして地面にうずくまる。なぜか踏切の場面が挿入され、半透明の男がこちらへ近づいてきたところに電車が通り、次の瞬間カメラの目の前に来ていた。
「視界」、岡崎さんが友人の金田さんと飲み屋で話している。撮影者は金田さん。道で倒れたときのことが話題のようだ。岡崎さんの頭の中に入ってきた映像が、カメラにも記録されていたのだという。その数日後、また頭痛がするようになったとのこと。そのときにまた何か記録できるのではと考えた岡崎さんがカメラを持つと、やはり同じ事態となった。どこかの駅と思しき映像が記録されており、最後にはベンチに座っている、同じ顔を持つ3人の女性が一斉にこちらを向いた。面白いんだけどそろそろやりすぎ感が出てきてしまった。ともかく誰かが見ている光景を、岡崎さんが念写しているらしい。
「病気」、なぜか家で「心霊玉手匣 其の二」を見ている金田さんと岡崎さん。フィクション丸出しじゃないか。最中に岡崎さんをまた頭痛が襲う。どうも光景を見ているのは女性らしく、その女性は自殺を考えているようだと岡崎さんは言う。徐々に岡崎さんの様子がおかしくなっていき、心配した金田さんが撮影しながら家に向かう。岡崎さん、髪はちゃんとしてて髭も伸びてないのだが…ここでまたおかしな映像が入り込む。だんだん和製ホラー映画っぽくなってきた。記録されていた映像はどこの景色のものかを割り出し、岡崎さんと共にそこへ向かうことになった。「追跡」「死角」と展開するが、結局冒頭の廃墟らしきところへ辿りつき、岡崎さんのキレ芸をお楽しみくださいという感じのが以降長々と続く。これ僕は一人で見てるからいいけど、誰かと一緒に見てる時にはどういうノリで見ればいいんだろうか。「終章」、最後の方にちょっとだけ心霊玉手匣スタッフが出てきて今回は終わり。やはり次の4を観ないと全貌は理解できそうもない。また今度見よう。


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