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封印映像シリーズ(11~15) 感想

2019/01/04

封印映像 11 天井裏の呪念     ★★★★

封印映像 11 天井裏の呪念

今作は全体的によい内容で、緊張感も漂っていて好ましかった。

「殺して」
公害問題をとりあげたドキュメンタリー映像撮影中に、自殺の瞬間をとらえてしまったという。
ビルから女性が飛び降りたので、ちょうど落下した地点まで走るレポーターとスタッフたちだったが、そこにあるはずの遺体がない。彼らは近くを捜し回ったのだが、恐ろしいものに遭遇してしまった。「封印映像」シリーズのお手本のような内容で満足。

「黒み」
監視カメラの映像。深夜にビルの廊下を歩く警備員の様子が映し出されていたが、映像にノイズが入り始め、突然警備員が襲われて消息を絶つ。なかなか衝撃的。そしていきなり暗転したかに見えた映像だったが、映像の感度を上げるとはっきりと映っているものがあった。二度驚かされた。

「軋む声」
友人とキャンプに行ってから、耳の中に軋むような音がするようになったという投稿者。キャンプの際に撮影された映像自体はそこそこの怖さだったが、その後投稿者が倒れて手術をすることになり、耳にあった異様な影を摘出したとの展開を見せる。そちらの気持ち悪さがメインと言える。

「テガタ」
一人暮らしをする弟の様子を見に行った姉が撮影した映像。会話の最中に突然部屋の電気が消え、窓に複数の手形が出現して2人は恐怖に震える。
その後部屋の電気が点いたが怪異は去っておらず、姉は部屋から逃げ出してしまった。弟は行方不明になるのかと思いきや、その後も部屋に住み続けているというのが意外な展開。

「天井裏の呪念」
心霊番組の撮影をしていたと思われる映像で、廃屋を取材中のスタッフと霊能者が次々と怪奇現象に見舞われる。突然具合が悪くなる霊能者に加え、女性レポーターの悲鳴がこだまして一気に緊張が高まる。
以降は手数で勝負ということなのか怒涛の展開だったが、映像の終わり方が単に手動で切って終わる(と思える)形なので少し惜しい。最後にババーンと出てきて映像がぶつっと切れるのが見たかったとも思う。

封印映像 13 黒電話の呪文     ★★★

封印映像 13 黒電話の呪文

毎度の緊張感こそ保たれているものの、やや展開が安直に感じられるものが多い。表題作も面白かったからよいが過去作の焼き直しパターン。

「古着」
カップルが街で古着を買って帰り、住んでいるアパートに戻って早速着替えてみたところ、男の方に異常が起きたという話。意外とこういう展開の映像は少ないのかも。最後にさらに何か出現するとなお怖かっただろうが、そこはあっさりと終わっている。

「三つ目」
映像の学校に通う学生が、課題の映像を撮りに公園に行った際の映像。いよいよ最後の映像を撮る所で、画面の隅に座り込んでいる人影に気付く。少しの間どいてもらうよう友人が声をかけに行くのだが、その人物の顔は異様なものだった。このとき画面の説明で「友人のよしこさんが」とあるが「よしこさんの友人が」の間違いだろう。
封印映像スタッフが現場を調べに行くとその公園が「三ツ目山公園」ってそのまんまじゃないか。

「ブチャルナ」
野生動物撮影を行うカメラマンが、夜中に山中に二台のカメラを設定した際に撮影された映像。突然一台のカメラが停止し、もう一台のカメラにはしばしば老婆の姿が映りこむ。声も収録されていて、「ブチャルナ」と言っているように聞こえるのだった。「ブチャルナ」の説明はともかく、山に老婆の霊が出てきてその山には姥捨て山の伝説がありましたとかいう展開で、話を安易に作りすぎ。

「弁天池」
投稿者が幼い時、父親がその姿を撮影した映像であるという。さすがに少し古めの映像だが、さらに古めかしい風貌の学生が映像の端々に登場する。どうも池からぬっと登場したように映っているのでスタッフが調べたところ、昔その池から自殺したらしい学生の遺体が発見されたという。全くひねりがない。

「黒電話の呪文」
20分近く時間を取っておりなかなかの大作。とはいえアイドルとスタッフが心霊スポットへ突撃取材して怪異に巻き込まれるという、今では全く珍しくない内容。
山にあった用途不明の小屋のなかでしばらく過ごしてみようという試みだが、小屋の中にポツンとあった黒電話が突然鳴り出す。アイドルが恐る恐る電話に出たが、謎の呪文が繰り返されるだけで、ついに電話が切れてしまった。持ち込んでいたカメラが異常な動きをし始めたあたりでパニックとなり逃げようとするが、アイドルは何者かに足をつかまれて離脱し、スタッフが車に乗り込む。以降は次から次へと怪異が襲ってきて悲劇が起き終幕。電話の呪文は何だったのかわからないままなのが凄い。

封印映像 14 猫塚の呪い     ★★★★

封印映像 14 猫塚の呪い

今回はなかなか初期のテイストに近い形で好印象。

「首」
野外でのテレビ番組収録中に起きた怪異の模様。もちろん番組はお蔵入りに。ある山中をレポーターが散策する様子が撮影されているが、事前調査でわからなかった廃墟が出現したり、カメラにも異常が生じ始める不穏な雰囲気。
撮影の最中にレポーターの女性がかなり憔悴していって、先に締めのカットを撮影することになったのだが、そこでカメラの異常の集大成がやってくる。結局この山には強烈な曰くがあったという。ベーシックな構成だが面白い。

「落書き」
リフォーム業者が、ある家の床下の様子を特殊カメラで撮影した映像。配管から異音がするため調査に入った作業員だったが、床下で異常な落書きを発見する。しかも出ようとしたところ何者かの力で出入り口がふさがれてしまうという悲劇。その家の住人に意味深なインタビューをしつつ、あとから映像を見返すとやはりそこには何かがいたのだった。ただあまり驚きはしない。

「壊れた家族」
高校生の女子バスケットボールの試合の模様を撮影した映像。コートの真ん中に謎の女性が出現する。短い一本かと思いきや、取材によってその女性にまつわるある悲しい話が展開される。やる必要があるとも思わないのだがちょっと感動話になっている。

「騒音被害」
これは結構面白い展開。怖い話としてまとまっている。中古で買ったビデオカメラの中に残っていた謎の映像で、アパート住みで近隣の騒音被害に悩まされる男性が、日々の状況を自分で撮ったらしいものだった。
男性は徐々に様子がおかしくなっているのだが、映像には悩みの種らしい騒音そのものは記録されていない。最後に頭に来た男性が暴れまわる所で映像は終わり、そこには主原因となった何者かが映りこんでいた。家賃の滞納で契約解除されたらしい男性がどうなったかだけが不明瞭なのが少し惜しい。

「猫塚の呪い」
バイト仲間との飲み会帰りから撮影されていた映像。後輩のアパートに泊まることにした一行であったが、途中で数人がそこらに立ちションする。投稿者は仮名なのに他の人は実名紹介の体なのがおかしな感じ。
投稿者は後輩の家でも撮影を続けていたが、猫の鳴き声がしばしば聞こえる。後輩は猫を飼っていないと言うが、いぶかる投稿者が質問したところ返事がない。様子を見に行った投稿者は惨劇の現場を目撃した。なかなか凝った内容。

封印映像 15 廃墟の死霊     ★★★

封印映像 15 廃墟の死霊

14の感想を書いてから10か月も経ってしまった。
さて今作は悪くないのだが、表題作の「廃墟の死霊」のタイトル名が凡庸な上にあまり怖くないという、なぜこれをメイン扱いにしたのか不明な内容。

「訴えるもの」
自主映画採用に撮影された映像。公害問題をテーマにしており、画面も暗めでただでさえ不気味。そんな中で予定外の不気味なものが映り込んでいるのだが少し見づらい。取材を経て、出てきたものは公害によって亡くなった人の霊ではないかという、よくある感じの所に収まる。

「寝言」
寝つきが悪い小太りの男性が、自分の寝ている様子を部屋に仕掛けたカメラで撮影したもの。霊らしきものの出現の前に、部屋の一部のものが動いてたりして芸が細かい。正直言って出てきたものはそんなに物珍しさはないのだが、その後タイトルにもある「寝言」によって撮影者は難を逃れる。封印映像おなじみの、昔の文献(今回は陰陽道)から由来を引っ張ってくるあたりは好ましい。

「空き巣被害」
ここから2本緊張感がある映像が続く。投稿者の女性が出張から帰ってきたところ、家の中がひどく荒らされていた。女性は警察を呼びつつ部屋の中を撮影して回るのだが、危機は去っていなかった。ドアを開けたら何が出てくるんだろうという緊張感があって気分は盛り上がる。

「橋の女」
こっちに気の利いたタイトルを付けて表題作にした方がよかったんじゃないのと思う、なかなかの内容。夜にドライブ中のカップルが、橋の近くに到着。女性の方が何かいたような気がすると言い出し、橋まで歩いていくのだが、橋の外側に女の霊を発見。慌てて逃げようとするも車のエンジンがかからない。ホラー映画のようだ。あとは衝撃映像で終わり。面白かった。投稿者の男性もちょっと芝居がかっているが胡散臭い感じが出ていて雰囲気がある。

「廃墟の死霊」
投稿者と友人で廃墟探検した際の映像。映像自体はあっさり紹介される。建物内部に風車がいくつもあったのが異様ではあるが、やや印象が弱い。僕が風車自体にあまり不気味なイメージを持ってないからか?あとは不気味な声がしたという箇所もあって、結局スタッフが現地まで取材に行く。おそらく結論を決めてから配置したと思われる小道具を見つけて終わり。



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